仕込みの時期がやってきた! -五島の醤のこと-

 

皆さま大変お待ちかねの第3段。

 

本日のテーマは「仕込みの時期がやってきた!」です。

 

はい。文字通り、五島の醤の仕込みです。

6月に入ると、金沢鮮魚さんで魚醤の仕込みが始まります。

毎年、6月~9月の気温が高い時に様々な魚種を仕込みます。

 

なぜ、この時期だけかというと、

魚醤の美味しさは魚醤の発酵状態に大きく左右されるから

です。

 

仕込みは、まず、原料となる魚の下処理から始まります。

通常、魚醤は加工せずに、まるの魚体のまま塩漬けすることが多いのですが、五島の醤の原料は丁寧に下処理します。

タイやイスズミといった大き目の魚は、内臓を取り除き、三枚おろしして、さらにミンチにしてしこみます。理由は、魚の内臓に未消化のエサなどが残っていると、それが生臭さや雑味の元になるからです。

 

鮮魚工場で下処理された魚たちは、魚醤工場に運びこまれ、塩、麹、五島つばき酵母と一緒に樽に仕込まれていきます。

 

この作業にも、やはり「人の手」です。

 

全ての原料がしっかりと混ざるように、丁寧にじっくりと揉み込むように、感触を確かめながら金沢鮮魚の大将が全ての樽を仕込みます。

 

そして完成した仕込み樽は発酵室へすぐさま運び込まれます。

 

この発酵室は温度管理されており、仕込み期間中ずっと35度前後に管理されています。

仕込み翌日からは、日々の手入れが入ります。ここにもやはり「人の手」。工場の職人さんが毎日毎日、ひと樽ひと樽を覗き、撹拌棒で撹拌し、発酵状態を確認します。きちんと発酵が進んでいるか、撹拌の感触、樽から生じる香り、色などを見て判断します。

 

きちんと発酵していると、まったく生臭くないんです。

これが、腐敗と発酵の違いなんですね。

 

この毎日の管理を約一カ月間、一日も欠かすことなく続けます。

真夏の発酵室はそれはそれは酷な環境です。それでも魚醤にきちんと向き合って、妥協することなく「美味しい魚醤」を作りだしてくれるパートナーの金澤さんには頭があがりません。

 

約一カ月の発酵期間を経た樽。

いよいよ搾りの段階へと進みます。仕込み同様に工場総出でやります。この工程でやっと魚醤になります。まだまだ単一の魚種ですけどね。

 

発酵した諸味(もろみ)を酒づくりの際に濾過する工程で使われる酒袋に入れて、搾り槽に並べます。無理に圧力はかけず、諸味の重さだけでゆっくりと、じっくりと搾っていきます。一晩置くと搾りたての芳しい魚醤ができあがりです。

 

「魚醤は生臭くて苦手」という声を良く耳にしますが、この魚醤は全ての工程を通じて、生臭さとは無縁です。新鮮な魚、五島つばき酵母と麹のW発酵、毎日の丁寧な手入れの賜物。

 

やっと魚醤が完成・・・ではないのですよ。

これはあくまで、単一の魚種の原料としての魚醤ができあがったばかり。

 

皆さまのお手元に五島の醤が届くまでには、まだまだ魚醤の物語はつづくのです。

 

長くなりそうなので、今日はここまで。

 

まさに今日、今期の魚醤仕込み初日を一緒にやってきたばかりの、とみーでした。

今年の魚醤もきっと美味しい。お楽しみに。