椿の選択 -椿のこと-
皆さんこんにちは。
農園管理人のシッチーです。
今回のお話は“椿はなぜ冬に花を咲かせることを選択したか”です。
冬に咲く花って珍しいですよね?
冬に花が咲いていると目立っていて、目に留まりますよね?
まさにそれが椿たちの狙いです!!
そもそも植物にとっての花の役割ってご存知ですか?
「種(子供)」をつくり、自分の遺伝子を後代に残すことです。
(たわわに実った、椿の実。収穫は毎年9月上旬です。)
その役割を果たすための条件は「受粉」です。
おしべが作る花粉が、めしべにつくことで起こるアレです。
しかし多くの植物は自分で受粉をするのが苦手で、他の生き物に手伝ってもらっています。
椿たちも例外ではありません。
その場を動けない植物たちは様々な工夫を凝らして、花に他の生き物たちを呼び寄せ、受粉を助けてもらうのです。
そこで椿たちがまず考えたのが“冬に花をさかせること”です。
冬に花を咲かせ目立つことで他の生き物たちが見つけやすいようにしました。
さらに美味しい蜜を作ることで、食べ物の少ない冬の時期の貴重な食料源として、他の生き物たちが訪れやすい仕掛けをしています。
(椿の蜜を集めに来たミツバチ。農園には様々な生き物が椿をめがけて集まってきます。)
でもそれなら他の植物も冬に花を咲かせればいいのに…って思いませんか?
今までは良い事ばかりしか書いてないのでそう思うかもしれませんがやっぱり冬は過酷です。
・日照時間が少ないので光合成もなかなかできない。
・気温が低いので代謝効率も低い。
・冬眠、休眠している生き物がいるため、受粉を助けてくれる生き物が少ない
そんな過酷な冬に花を作って頑張っている椿たちをみると、自分も頑張らんばという気持ちになります。
(農園内の未開の地を開拓中。大きな岩がごろごろしている過酷な場所でも、椿はへっちゃらです。)
さて次回は、そんな花たちが受粉の効率を上げるためにどのような構造上の工夫をしているかについてご案内します。
是非お楽しみに♪
(シッチー)